肺真菌症
肺真菌症とは
皆さんは真菌という言葉を聞いたことはありますでしょうか?真菌とはいわゆる「カビ」の仲間の総称です。肺真菌症はこのカビを吸い込むことによって生じる感染症のことです。厳密にいうと肺(もしくは脳)に症状をおこす病気のことを「深在性真菌症」と呼びます。
真菌の種類は沢山ありますが、もっとも症例として多いのはアスペルギルスによる肺アスペルギルス症です。続いてカンジダやムコール、クリプトコッカスなどが多いです。
これらの真菌は空気などの環境中に存在しており、私たちは日常的に吸ったり皮膚についたりしています。しかし健康な人であればこれらの真菌により真菌症を発症することはまれです。発症する方の特徴として免疫力の低下があります。ステロイド剤や免疫抑制剤を飲んでいたり、白血病、抗がん剤治療により白血球が減少していたり、高齢の方は免疫力が低下しているため肺真菌症にかかりやすいとされています。
肺真菌症の症状
発熱やせき、たん、血痰、だるさ、呼吸困難などの症状が現れます。結核や肺炎などと似た症状のため真菌が原因と疑いにくい場合があります。症状の進行については真菌の種類によって様々であり、急に症状が出ることもあれば、ゆっくり症状がでることがあります。
肺真菌症の検査
多くの場合、痰を採取、培養することで真菌かどうかを調べます。
血液検査も診断の補助として活用します。
肺真菌症の治療
肺真菌症の治療は、真菌の種類によって異なります。一般的には抗真菌薬の処方が主です。