睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠時に呼吸停止または低呼吸に陥る病気です。幾つかの原因が考えられますが、特に多いのが「肥満」と「喉や顎の骨格的な形状」です。肥満になると空気の通り道が塞がりやすくなりますし、骨格的な問題で呼吸に支障を来しやすくなっている方もいらっしゃいます。
きちんと治療を受けずに放置していると、高血圧や糖尿病、心疾患、脳卒中などのリスクが高まります。昼間に強い睡魔が襲ってきて、交通事故を引き起こすこともあります。突然死を招く確率も大幅に上昇すると言われておりますので、家族や友人などから睡眠中の大きないびき、呼吸の一時的な停止を指摘されたときは、お早めに呼吸器内科を受診しましょう。
このような症状の方はご相談を
- 家族などから「いびきが大きい」と言われた
- 「寝ているときに呼吸が止まっている」と言われた
- 突然息が苦しくなり、夜中に目が覚めてしまうことがある
- 夜間にトイレに行くことが多い
- 目覚めが悪い、起きたときに疲労感がある
- 起きたとき、過度に喉が渇いている
- 日中に強い眠気を感じる、倦怠感がある
- 集中力や記憶力が低下した
など
SASの治療法
治療にあたっては、患者様の状態に応じて、CPAP療法、マウスピース、生活習慣の改善、外科手術などを検討します。このうちCPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群の患者様にとって標準的とも言える治療法です。鼻に装着したマスクから加圧した空気を送り込むことによって、ある一定の圧力を気道にかけ、気道の閉塞を取り除いていきます。ほとんどの患者様は、この治療を行ったその日からいびきをかかなくなり、朝もすっきりと目覚め、昼間の眠気も軽くなります。
マウスピースは、比較的に軽度の患者様に対して行われます。就寝中の顎の位置を少し変えることにより、気道が広がり、無呼吸状態が抑えられます。専用のマウスピースを使用するので、作製の際は専門の歯科医師をご紹介いたします。
なお、生活習慣の改善も欠かせません。肥満の方は、減量のために食事を腹八分目に抑え、適度な運動を心掛けます。お酒は筋肉を弛緩させるため、飲み過ぎには注意して下さい。
喉や顎などの形状に問題がある患者様に対しては、外科手術を行うこともあります。気道の塞がってしまう部位を外科的に正常な状態に戻すことにより、効果が期待できます。